組織の力はヒトで決まる。経営層のリーダーシップは言わずもがなだが、優秀な社員がどれだけ会社の目的を具現化できるか、そこは社員一人ひとりの力といって良い。そこで、伴代表とマネージャーの平松直樹税理士に、社内の様子、教育、仕事への取り組み姿勢など、現場の声を聞いた。(聞き手=宮口貴志)
※インタビューは2012年に行ったものです。
海外直営店との連携がコンサルの幅を広げる

・・・平松さんは、KPMGトランザクションアドバイザリーグループで大手企業に国際税務などの質の高いサービスを提供してきたと思うのですが、フェアコンサルティングでは、どのようなところにやりがいを感じますか?
平松 :われわれのようなサービス提供をしているところが少ないので、お客様に感謝されると非常にやりがいを感じます。基本的に、他社では日本は日本の税務、現地は現地の制度みたいな感じで、お客様からすると日本のことは日本人に聞いて、現地のことは現地の人に聞くというのが一般的なのです。このギャップはそう簡単に埋まらないのですが、そこをわれわれがワンストップでやっているので、お客様からすると、今までもやもやしていたことが解決され、海外のこともよく分かったと言っていただけます。他ではできないサービスが提供出来ていると自信があります。
・・・テクニック的なことで、こんなことも出来たということはありますか?
平松 :日本、海外とグローバルに物事を捉え、サービスを考えていくと、実はこんな方法もあるのかということが多々あります。これが出来るのも直営店で拠点を運営しているからで、これは他社ではなかなかまねできないことだと思います。日本の枠を超えたところで頭を働かせないといけない事案も多く、自分も絶えず勉強していかなければ良いサービスを提供できませんが、確実にステップアップしていることを感じます。私の場合、中華圏やASEANの相談に対応していますので、その方面での勉強もしながら、日本のことも勉強しなければなりません。やるべきことは多いのですが、2年前に入社したときは、点でしか分からなかったことが、今はマーケットを面で見えるようになってきました。
・・・勉強することは多いと思いますが、仕事をしながらどのようにバランスを取っていますか。
平松 :実務をしながら、海外の専門家に分からないことを聞きます。海外のスタッフも日本の制度について勉強していますので、お互いが触発しあっているわけです。触発しあいながら、ベストなサービスを考えていきます。ディスカッションしていく中で、"こう組み合わせたら上手く行くのでは"となっていきます。こうして自然と知識が身になるというか、紙で覚えていくことも実務的にはこう使えるのかと分かってきます。それこそ中国は制度有りきですが、実務は全然違います。規定、通達があっても適用されている例がなかったり、ある地域だけに適用されている話も意外に多いのです。そうした対応ができるとお客様からの信用も違ってきますし、サービスに対するお客様の感動も違います。やりながら勉強していくことが実は非常に大事なんです。
・・・現場に勝る教材はナシ。基本が出来たら実践で磨くわけですね。
平松 :それでもスタンダードな情報はインターネットをはじめ、さまざまな形で取得していきます。たとえば、国際税務の本や各国の税制web、銀行が出している国際的なニュース、日経新聞など。その中で自分に関係しているところを深掘するのです。深掘りに当たっては、海外拠点のスタッフに聞いてみたりします。
国際税務の理論、実務の権威者がサポート
・・・グループの中に国際税務に精通された国税局出身の萩谷先生や伊藤先生がいらっしゃるのが強みですね。
平松 :国内外の最新情報はすぐに聞けます。国内外のことをあれだけ知っている方も、なかなかいないですよね。しかもそれぞれ得意分野が違う。萩谷先生は移転価格の権威ですし、伊藤先生は国際税務全般の理論に非常に強い。細田先生はより実務的な部分で海外の税制に詳しい。KPMGでやってきた国際税務の知識とはまた違った部分で勉強になります。
・・・税務の最高の知識を聞ける会社というのはうらやましい
平松 :ベースの知識は自分である程度身に付けなくてはいけません。聞けば教えてくれるかもしれないけど、ちょっと違う事例になった時にそもそもの根拠を分かっていないと応用できないですから。それって専門家として意味がないので、ベースは自分で築いておく必要があります。
・・・こうした勉強への姿勢は大切ですね。真の力になります。
平松 :そう実感します。私も税務以外のことも関わりますが、本当に手探りでやることも多いため、ときには皆が協力して、皆の持っている経験・ノウハウを総合してサービスを提案していくことは重要だと思っています。組織が小さいからこそ、グループの力を合わせて対応していく必要があります。
・・・出張が多く、皆さんなかなか会う機会が少ないと思いますが、コミュニケーションはどのようにとられているのですか。
伴 :3カ月に1回皆を集めてミーティングを行っています。他の会社はほとんどやってないと思います。連携プレーが一番大事と考えているので、こうした機会を設けています。なので、聞かれたら100のうち75~80は答えられるはずです。どの国のことも。残り20から25の部分は、実務のスパイス的な要素であったり、日本の書籍にない話が絶対にあり、その部分を海外に聞かないといけないので、海外でも現地のスタッフと日本の駐在員が共同で調べて知識を深めています。メールとかskypeとかしますけど、やはりface to faceでないと駄目。なので少なくとも日本人は3カ月に1回は全国から集まりミーティング・懇親会をやり、意思統一を図っています。
・・・1日やるのですか。
伴 :丸1日です。それに合わせてセミナーを一緒に開催したり、お客様を一緒に訪問したりしますね。コミュニケーションには時間を取りたいと思っています。全員の旅費と時間、機会損失を考えたらコストはものすごくかかっています。それでもやらないといけないと思っています。とくに、日本のポジションは、自分のところだけでは完結しない仕事ばかりですから。海外の助けがいるので、協調性とコミュニケーションが本当に必要なんです。
平松 :他の事務所より、この事務所は非常にコミュニケーションを重視しています。一人で出来ることもありますが、それでもほとんどが誰かの助けを得ないと出来ないことばかりです。
・・・体系的な社内教育はありますか
伴 :定期的な教育というと、OJTが多く、たとえば経験に合わせてプロジェクトに参加してもらおうとか、あとは成果物の解説会とかで勉強してもらいます。
平松 :入社される時点で、スタンダードな知識はあると思いますから、定期的な勉強会などでレベルアップを図っていくことになります。あとはその人の経験に応じてサポートしていきます。
・・・チームワークの良さ以外に、会社のカラーは?
平松 :チャレンジ精神ですかね。物事は自分で考えることが基本ですが、人と一緒に考えることも不可欠です。そして、お客様の目線でチャレンジしていくのが一番良い部分だと思っています。今までのビジネスモデルが良いとは限りませんから。われわれ自体も変わらないといけない。そこを柔軟に対応していかないと駄目だと思います。
・・・順番をつけると、何が重要ですか
伴 :協調性、バランス感覚、チャレンジ精神の順番ですかね
・・・結局は技術的なことではないですね?
伴 :それはいらないですね。誰でも出来ますよ。採用された時点でそこはクリアされています。
平松 :キャリアがある一方で人間的なスキルを求めています。入社される方の知識・能力には期待していますけど、重きを置いてないです。採用された時点でポテンシャルは高いと思っていますので、どれだけ伸びてもらえるか、そこに期待しています。
・・・平松さんは今後、どういうキャリアを築いていきたいですか
平松 :こうなれたらいいなとか、ここまで達したらいいなっていうものはあります。知識としては、日本だけでなく海外も含めて、幅広く知識を付けていきたいと思います。まだ今はその途上で、海外については、今はどっちかというとアレンジメントですけど、もう少し国を絞っても自分の強みが出せる国とかつくっていければ良いと思っています。そこから派生するような仕事に取り組んでいきたいです。
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